『敗者のゲーム』まるで名言のバーゲンセールだな……
おいっす
今回は、チマチマ読み進めている『敗者のゲーム』には名言がてんこ盛りですよって話です。インデックス投資家として読むべきかなと思い手に取ったのですが、私自身IQがアレなのと読書量とか投資歴が乏しいこともあり、正直理解できる部分があまりなかったですてへぺろ。ちょっと難しい話が多いので、数年後に再度読めば、また違った視点で読むことができるのだと信じて、今回は理解できた範囲を記事にしていきます。
簡単に『敗者のゲーム』を要約しますと、アクティブファンドじゃ市場に勝てる確率はかなり低いからインデックスファンドがおすすめ。以上。
といった内容です。あらゆる投資本で推奨されている長期・分散・積立のイロハを事細かに書かれている投資本の集大成ともいうべき内容ですね。
現代では本書のような内容がネットで無料かつ良質な情報がすぐに手に入りますが、改めて再認識した事もいくつかあったので、投資初心者から経験者まで一読してみることをおすすめします。
『敗者のゲーム』と似た内容の本にこれまた名著の『ウォール街のランダム・ウォーカー』もあわせて読むことがブログSNS界隈で勧めらています。
ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理
- 作者: バートン・マルキール,井手正介
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2016/03/10
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (7件) を見る
どちらも数十年前に出版された書籍ですが、今でも多くの投資家に読まれ、語り継がれているということは『ウォール街のランダム・ウォーカー』のサブタイトルにもあります「株式投資の不滅の真理」が陳腐化されていないことが証明されているということですね。
先ほども書きましたが、本記事では『敗者のゲーム』内にあります名言・格言をただただ書き記していきます。
運用機関は市場に勝てない。市場が運用機関に勝っている
投資は「勝者のゲーム」から「敗者のゲーム」へと変化した
市場に勝つ唯一の方法は、他の投資家のミスを利用すること
市場タイミングに賭けてみようというのは「悪魔の囁き」だ。決して耳を傾けてはいけない
プロの投資家に勝つには、相当な運が必要である
投資は娯楽ではない。責任である。投資は本来「エキサイティング」なものでもない。むしろそれは原油の精製やクッキー、ICなどの製造工程のように、じっくり腰を据えて取り組むべき作業である。投資がエキサイティングになってきたら、何かが変だと思う必要がある。ほとんどの投資家にとって、生還できることが成功の秘訣と言えるだろう
投資で成功するうえでの最大の難関は、頭を使うことではなく、感情をコントロールすることである
マーケットという、きわめて情緒的な環境の下で、冷静で合理的であり続けるのは決して容易ではない。難しいのは最善の投資政策を作成することではない。むしろ、乱高下するマーケットに惑わされずに、当初の投資政策を堅持し続けることである
プロの投資家に勝つには、相当な運が必要である
人間は心配性である。一年で10%上がる投資の一か月ごとの上昇率は1%にも満たない。一日単位の上昇率はほとんどゼロに近い。したがって、毎日の株価の動きを気にしても意味がない。ところが実際には、毎日欠かさず株価をチェックする投資家は少なくない。株価などは、四半期に一度見れば本当は十分なのである
人間は楽観的である。しかし投資においては、人間は楽観的であるよりも、客観的で現実的であることの方がはるかに重要である
人間は間違いを認めたがらない。投資家が自分の投資成果をしばしば過大評価していることは、多くの研究が示すとおりである。投資家は自分に対してさえ間違いを認めたがらない
人間は感情的である。株価が上がれば笑い、下がれば泣く。価格の変動が激しいほど、泣き笑いも激しくなる
問題は市場にあるのではなく、自分自身の側にある
ポートフォリオは運用基本方針を下に編成、管理するべきものである
投資家は、自分のニーズを最もよく知るエキスパートである
長期投資家にとって、短期リスクは心配無用
時間とともに、ある種の資産への投資の魅力は最大から最小へ、あるいは最小から最大へと様変わりする
大切なのは自分自身の運用の質の高さより、むしろ競争相手に対する比較優位だ
運用においては、長期では驚くようなことはないが、短期では驚きの連続だ
投資リスクは3種類。2つは実質的に回避できるが、第3のマーケット・リスクは管理されなければならない
(ここでいう3種類のリスクとは「価格リスク」「金利リスク」「事業リスク」の3つである)
平均以上の市場を取ることにより、平均以上の収益を得ることができる
市場リスク管理が資産運用の主要な目的である
長期投資に成功する秘訣は、巨額のロスを避けることだ
運用基本方針は最も強力なパニックの予防薬である
株価が上がった時に喜ぶのも間違いだし、下がった時に悲しむのも間違いである
運用基本方針は、投資家の長期運用目的と運用機関の日々の仕事を結びつける
市場自体の上昇をファンド・マネージャーの能力と混同してはいけない
ファンド・マネジャーの優秀な成績が実力なのか運によるものなのか判別するのには何十年もかかる
ポートフォリオの運用成果は同種のものの間で比較すべき──成長株同士、小型株同士──
リスクを取りにいく場合、耐えられる範囲内に留まること
運用機関の「使命」は投資家と合意のうえ、書面に明示すること
いったん適切な運用基本方針が策定され、実施された後は、方針の修正には慎重であるべきだ
個人投資家にとってインフレーションはまさに重大問題である
長期投資家は、株が値下がりした時にこそ喜ぶべきである
「巨額の資産を築くためには大変な勇気と注意力が必要だ」
世代ごとの運用などない
あなたの資産は、あなたの望みや意図を知らず、関心もない
ゆったり構え、じたばたしないこと。それが長期的な成功の秘訣である
莫大な遺産は、子供にとって必ずしも幸せでない
お金の象徴するものは人によってさまざまである
あなたの資産は、あなたが作り上げた価値の積み重ねである
1.投機的判断で動いてはいけない。もしあなたが衝動に駆られ、どうしても相場を見ながら売買しようというなら、あなたはプロを相手にしていることを自覚すべきだ。投資額をラスベガスでプロとギャンブルする場合の金額程度に抑えた方がよい(勝負の結果を正確に記録していけば、あなたもすぐに降りたくなるだろう!)。
2.貯蓄すること
3.税制上有利という理由で動いてはいけない。そうした商品は投資対象として魅力はない。(日本にはほとんどないが)企業の税務上の損金を節税目的で商品化したものは、証券会社の手数料を増やすだけだ。
※IRAや401(k)などの例外もあると本書では述べられている。
4.自分の住宅を投資資産と考えてはいけない。住宅は家族と生活する場所であり、それ以上のものではない。過去20年間、居住用不動産の価格は消費者物価指数ほど上昇しておらず、その利回りは財務省証券以下である。
5.商品取引は考えものである。過去10年間、アメリカで商品取引の助言をしてきた業者の実績についてのレポートがある。それによれば何人儲けたか。ほとんどいない。しかし、業者は手数料をもらって儲けている。
6.証券会社の担当の人に気をつけなさい。多くの場合、素晴らしい人たちである。しかし、彼らの仕事はあなたを儲けさせることではなく、あなたから儲けることなのだ。もちろん、とても良心的で長年、担当してきた顧客の身になって、質の高い仕事をしてきた人も少なくない。ただ、あなたの担当の人がそうとは限らない。立派な担当者もいるが、なかなかそこまで手が回らないのが実情である(一般に一人の証券会社の営業担当は、資産残高の合計が500万ドル程度の約200人の顧客を抱えていると言われる。彼が年間10万ドル稼ぐためには、売買手数料収入として30万ドルを必要とする。これは、彼の顧客の資産合計の6%にあたる。これだけの額の手数料を生み出すためには、彼は投資家にとって何が必要かを考える暇はない。資金を回転し続けなければならない──それはあなたの資金である)。
7.いわゆる新金融商品に投資してはならない。この手の商品のほとんどは、投資家に保有されるためというより、投資家に売るために設計されている。新商品に関して、他の投資家の話にも耳を傾けてはならない(ある新人の漁師が、魚がカラフルなルアーに食いつくのを、感心して眺めていたという。その時、釣り道具屋はこう言ったという。「魚にはそのルアーは売らないよ」)。
8.債券は元本、利息が安全だとか、リスクが少ないと聞いて、債券に投資してはいけない。債券価格もほとんど株式と同様に変動するし、さらに債券は、長期運用にとって真のリスクであるインフレに弱い。
9.長期の投資目的と投資方針、資産計画を文書にして書き出し、それに沿って行動すること。最低10年に一度、できれば毎年それを見直すこと。見直しを先延ばしにしないこと。
10.直観を信じてはいけない。うまくいって有頂天の時は、大火傷が待っていると思った方がよい。落ち込んだ時は、夜明け前が一番暗いということを思い出そう。そして、何もしないことだ。売買は運用のプラスアルファの部分にすぎない。
いかがでしたか。
これまで列挙した言葉はきわめて簡単で、今日の投資家にとっては常識的なものだと思われたかもしれません。
しかし、本書でも述べている通り、単純なメッセージこそ的を射ているということもあり、優れたアドバイスは必ずしも複雑である必要はない、と。
個人的に一番インスピレーションを感じたのは、株価は四半期に一度見れば十分だということ。
長期投資をする上では、全くその通りだと思いました。しかし、当ブログでは四半期に一度運用報告していたらブログの更新がほぼ無くなってしまいます(笑)。
ですので、運用報告は継続して月一でしていきたい所存でございます。
また、『敗者のゲーム』にはインフレの脅威と複利の魅力に関しても触れております。
複利運用の力は存じておりましたが、曖昧だったインフレの知識を理解することができたのが大きな収穫でした。
近頃のソシャレン界隈(特に不動産型クラウドファンディング)は何千万円という規模の募集が始まったら数秒で満額になるくらいには過熱しています。軽くバブルに近いので、それこそ「何かが変だ」という気持ちが『敗者のゲーム』を読んでから芽生えてきました。
ですので、ソシャレンへのウエイトを一旦下げ、インデックスファンドの割合を増やそうと考えております。
ではノシ