『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』身の回りから見た10の思い込み(前編)
おいっす
発売日に購入してしばらく平積みしていた『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』を読了したので記事にしました。
FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- 作者: ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2019/01/01
- メディア: Kindle版
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内容を要約しますと、世界は皆が思うより良い方向に向かっているよって話です。では、なぜ人々は悲観的に世界を見てしまうのか、という理由を10個の思い込みを世界各国の統計や出来事を例にして解説しています。
私自身、低学歴なので統計学とか、そういった分野の話は疎いものです。ですので、へえーそうだったのか、知らなかったー、という小学生並みの感想ぐらいしか思いつきませんでした。
そもそもなぜこの本を手に取ったのかというと、単純に前評判が良く、SNS等でおすすめされていたのをたまたま見たからです。特にこれといった理由はなく、どういった内容なのかも把握していませんでした。
しかし、結果的に言えば読んで良かったと思っています。内容は純粋に面白いですし、ファクトフルネス(事実に基づく世界の見方)を習慣にしてみようと考えるようになったからです。著者もファクトフルネスの習慣を広めたいと述べていますので、読む人はともかく、著者にとっては成功したと言えるでしょう。
上記で書きましたが、低学歴だから〇〇ができない。といった思い込みも、ファクトフルネスを用いればそうとは言い切れないと考えられます。
ヘンリー・フォード、ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズ、前沢友作など、数多くの成功者が進学しない、大学中退という選択をしていきました。
なお、彼らは明確な目標を持ってその道を選択したため、学歴より個人の意思の強さが成功のための重要な要素だと私は考えています。
『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』では世界各国を例に10の思い込みを挙げていますが、「では身の回りのことではどうなのか?」という素朴な疑問が浮かんだので調べてみました。
ちなみに、10個まとめて記事にすると長くなりそうなので、前後編の2回に分けて書いていこうと思います。
分断本能
分断本能とは、人は何事にも2つのグループ(二項対立)に分けたがる本能を持っていますが、実際はその中間部分に大半の人が位置しているというものです。
日本では格差社会が云々とよく議論されていますが、それは本当なのでしょうか。
そう思って調べてみたところ、ちょうどダイヤモンド・オンラインの記事で日本の格差に関するデータを扱った記事がありました。
2016年9月と少し古い記事ですが、『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』でも書かれているように、上位層と下位層の差は縮まり、中間にある層が増えていることが分かります。
まあ、そもそも「一億層貧困」と揶揄されているように、世界的に見たら日本は所得がじわじわと減っています。国内にばかり目を向けず、全世界に視野を広げることを意識して過ごすことがベターなのでしょう。
ネガティブ本能
ネガティブ本能とは、実際には世界は良い方向に進んでいるのにも関わらず、多くの人が「世界はどんどん悪くなっている」と思い込んでしまうこと。その原因はネガティブなニュースが耳に入りやすく、記憶に残りやすいことと、良い方向に進んでいる出来事はニュースになりにくいことです。
そのため、良くなっているニュースより悪いニュースの方が広まりやすいことを自覚することや、「悪い」と「良くなっている」は両立していることを理解しておくことが、ネガティブ本能を抑えることに有効とされています。
ここ最近では、自動車による痛ましい事故が度々耳にしています。
ほぼ連日のように自動車事故のニュースが報道されており、まさしく自動車事故が増えていると、多くの方が感じているはずです。
そこで、本当に自動車事故が増えているのか調べてみました。
自動車が普及して、上昇する年もありますが、徐々に減少していることが見て取れます。
また、事故の原因として「アクセルとブレーキを踏み間違えた」という報道が散見されるので、原因別で調べてみました。
上記の記事のグラフがどのように集計したのかは定かではないので、信憑性はあるとは言い切れませんが、「ブレーキ操作不適」の項目以外は減少しています。しかし、「アクセルとブレーキを踏み間違えた」と同義の「ブレーキ操作不適」が増加傾向になっています。
このように、課題はまだあれど確実に良い方向に向かっていることを知ることがファクトフルネスの目的です。
また、『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』のネガティブ本能の項目でも書かれていますが、世間の監視の目が広まったことによって、悪いニュースが増えたと考えることが聡明かと。
直線本能
直線本能とは、世界の人口増加のような右肩上がりは永遠に続くことはありえないということ。グラフには、様々な形が存在することを認識することで、直線本能を抑えることができるとされています。
身近な例で限界効用逓減の法則(げんかいこうようていげんのほうそく)という法則があります。
こちらも、ダイヤモンド・オンラインに分かりやすい記事がありましたので、一読してみて下さい。
年収と幸福度の関係のように、あらゆるグラフはひたすら直線に推移することはない、ということです。
一個人投資家として直線本能に関して思うことは、右肩上がりに推移する世界経済がいずれは横ばいになるのでは?という懸念が浮かびました。
過去から見ればNYダウやS&P500が右肩上がりに推移しており、今後も上昇傾向にあることはあらゆる書籍で書かれています。
しかし、直線本能の項目に書かれていますが、いずれは人口増加は横ばいになる時が来ると予測されています。
それが2100年の出来事といえど、人口増加が停滞するのと比例して世界経済も停滞するのでは?と思いました。まあそれでも積立投資は続けるんですけどね。ええ。
恐怖本能
恐怖本能とは、恐ろしいものには、自然と目がいってしまうこと。また、「恐怖」と「危険」は違うということ。起きる可能性が低いことに注目しすぎず、本当に危険なことを察知することで恐怖本能を抑えることができるとされています。
恐怖本能の項目の例に、福島の原発事故が挙げられていました。原発事故は、正に恐怖本能の象徴といえるでしょう。
放射能による死亡者数を検索したところ、放射能が直接死に繋がった確証が得られませんでした(信憑性のある記事が見つからなかった)。
その代わりに、上記の朝日新聞デジタルの記事にありますように、避難生活による疲労やストレスが震災関連死の大多数を占めています。
このことから、恐怖本能を抑え、今できる最善のことに目を向けることを意識しておくことが大切なのだと感じました。
過大視本能
過大視本能とは、目の前のことを最重視してしまうことで数字の規模や大きさを勘違いしてしまうこと。過大視本能を抑えるには「比較」と「割り算」を使うことが有効とされています。
最近ですと、2019年10月から消費税が8%から10%に引き上げられることで度々論争されていますね。では、その消費税10%は世界的に見たら高いのか?1人あたりだとどれくらいの負担になるのか?「比較」と「割り算」をしてみます。
国税庁のサイトを参考にしました。他国と比較してみると、それほど高くは感じないことが分かります。
次に、税収の内、消費税がどのくらいを占めているのかを国ごとに割ってみます。
と思いましたが、財務省のホームページに税収に関する資料がありました。
計数は2015年のものですが、OECD加盟国の中では消費税の割合は下位の方にあります。その代わりに、他の税収が軒並み平均以上となっています。
FIREを目指している私としては、消費税増税という目の前のことを重要視しすぎず、如何に他の課税を節税できるかに注力することがFIREへの近道だと考えています。
まとめ
このように、ファクトフルネスを実践して世界から身の回りの事柄まで幅広い事実を知ることができれば、人生の役に立ち、ストレスが減り、気分も軽くなるはずです。
いやあ、それにしても統計などを調べながら記事を書くのはすごく疲れました。ですが、辛いと感じるのはまだ習慣化していないことの証明なので、コツコツとファクトフルネスを実践して、習慣化していきたいです。
後編では、残りのパターン化本能、宿命本能、単純化本能、犯人捜し本能、焦り本能について書いていきます。
ではノシ