『ゲームは人生の役に立つ。 ~生かすも殺すもあなた次第』感想
おいっす
先日に小幡和輝さんが行った新著のプレゼント企画に応募したので、記事にしました。
小幡さん、面白い書籍を献本させていただき、ありがとうございます!
大盤振る舞いじゃー!!
— 小幡和輝@不登校は不幸じゃない (@nagomiobata) May 12, 2019
著書『 #ゲームは人生の役に立つ ~生かすも殺すもあなた次第』を『希望者全員』にプレゼント!
ブログかYouTubeで本の感想を投稿!(実績は問わず)
ページのURLを忘れずにリプください!応募は5月20日まで!
拡散希望!!!(ちなみに全部自腹!!)https://t.co/gd19rEpcKo pic.twitter.com/5SMqWT6155
小幡和輝さんの#ゲームは人生の役に立つ
— ブレイズクロー石川 (@___Dette_U___) 2019年5月25日
届きました〜
早速読み進めていきます pic.twitter.com/Lwdmq99V9h
先日連絡が届いて気づきましたが、公式ブログにて本書の一部が無料試し読みができます。気になる方は是非一読することをおすすめします。
この企画に参加した理由は、私自身ゲームが大好きなのですが、ゲームに対する焦燥感と罪悪感があり「こんなことをやってていいのか?」という気持ちが芽生えてしまい、純粋にゲームを楽しめることができなくなったからです。そんな中、偶然にも小幡さんの新著プレゼント企画を見つけ、『ゲームは人生の役に立つ ~生かすも殺すもあなた次第』というタイトルにピンときて「これは読むしかないな」と考えたからです。たまたまブログをやっていたというのもありますけどね。実績を問わないというのは有難いです。
実際に読んでみると、小幡さんと私の年代が近いこともありポケモンやスマブラ、遊戯王といったあらゆるゲーム(カードゲーム)を例に挙げていてすごく共感できました。
本書では、4人の識者との対談形式で書かれています。それぞれの専門分野からゲームというものに対する見解をあらゆる切り口から語られており「そういう考えもあるんだな」と納得し、非常に参考になりました。
ゲームタイトルなどの専門用語が出てきても、ページ下部に簡易的な説明が記載されており、それが大変親切で普段からゲームなどのサブカルチャー文化に触れていない方にも内容がすんなり頭に入っていけるはずです。
ブレイズクロー石川のゲーム経歴
本記事を執筆するにあたり、私のゲーム経歴をざっと紹介していきます。
生誕~幼少期
記憶の限りでは3歳頃にやった『スーパーマリオ64』が初めてのゲーム体験。そこからどんどんゲームの世界にのめり込んでいく。
この時期にやったゲーム
『スーパーマリオ64』『マリオカート64』『スマブラ』『ポケモン赤緑』など
幼少期~小学校期
初めて触れたゲームがニンテンドウ64だったため、すっかり任天堂ファンボーイに。私が通っていた学校は全校生徒が少なく、1学年1クラスだったこともあり学年間での垣根を超えた交流が当たり前だった。皆で集まって『スマブラDX』や『エアライド』などの4人対戦ゲームをメインに様々なゲームを楽しんだ。カードゲームでは『デュエマ』が主流だった。
この時期にやったゲーム
『スマブラDX』『エアライド』『パワプロ』『ポケモンRS』など
小学校期~中学校期
深夜アニメにドはまりする黒歴史時代。『MHP2』『MHP2G』が大流行し、ソロマルチ問わず没頭する。同時に『遊戯王』を勧められる。その奥深さに魅了され、日夜カードを買い漁る日々を送ることも。高校受験を控え、ゲーム禁止令が厳重になる。ゲームをやる時間より深夜アニメを観る時間の方が長かった気がする。
この時期にやったゲーム
中学校期~高校期
この頃から皆で集まってゲームをすることが激減する。代わりにオンライン対戦ゲームが中心になる。
この時期にやったゲーム
高校期~短大期
割と最近。最新のゲームを追うこともなく、一周回ってレトロゲームで盛り上がることがちらほら。短期間ではあるが『遊戯王』にも復帰し、環境の変化に驚愕する。友人の勧めで『艦これ』を始め、以後2年半提督業を勤め上げる。
この時期にやったゲーム
『マリオカート8』『スマブラWiiU』『艦これ』『スプラトゥーン』など
短大期~社会人期(現在)
余暇時間が極端に減少し、更に軽度のうつによる弊害もあり、ゲームに対する熱意が薄れてしまう(現在は良好)。PS4、PCと色々手を出すが、前述の謎の焦燥感と罪悪感からどれも長続きしなくなる。
この時期にやったゲーム
『R6S』『BF1』『PUBG』『フォートナイト』など
以上の経歴から分かるように、始めは好きで好きで仕方がなかったゲームが、いつしか純粋に楽しめなくなっていきました。
今でもゲームはやりますし、楽しんでいます。ですが、いつから純粋に楽しめなくなったのか。どうすれば以前のようにゲームを楽しめるようになるのか。という疑問を本書から答えを探していきます。
なぜゲームは時間の無駄に感じてしまうのか
もし今ゲームをしていて、「ああ無駄なことしてるなぁ」と感じているとしたら、ちょっとか考え方や見方を変えるだけで、これまでにゲームに使った時間やお金を無駄にしなくても済むと思うし、この本がそのきっかけになってくれるんじゃないかと思っています。
小幡和輝『ゲームは人生の役に立つ ~生かすも殺すもあなた次第』エッセンシャル出版社,2019年,p.4
ゲームに対する風当たりの強さは昔に比べて大分和らぎました。理由は様々ですが、大まかな要因はスマホゲームの普及とYouTuberの台頭、あとはeスポーツの発展などでしょう。
現代はゲームに対する偏見が確実に良い方向に変化しています。それでもなお、ゲームを純粋に楽しめないのは「ゲームは時間の無駄」という思考が心のどこかにあるからだと考えています。
本書を読んでから、ゲームから何かを得ようとする姿勢が人生の糧になるのだ。という一つの答えが見つかりました。
他にも、小幡さんの考えるゲームをやることのメリットに腑に落ちる内容が多かったので列挙していきます。
ゲームをやることのメリット
小幡さんの考えるゲームをやることのメリットは以下のように書かれております。
- コミュニケーションツールとして活かせる
- 共通の話題ができる
- 自己肯定感が得られる
- 歴史や文化への興味が湧く
- 経済を学べる
- 仮説検証力を培える
- 説明する力(プレゼン力)が身に付く
- 現代なら仕事に繋がる
一つずつ私の経験を織り交ぜて解説していきます。
コミュニケーションツールとして活かせる
僕の場合は、友だちと遊ぶための「道具」としてゲームを使っていたけれど、これからの時代はむしろ、新しいコミュニケーションツールとして、ゲームを積極的に使うことを考えてもいいんじゃないかと思う。
小幡和輝『ゲームは人生の役に立つ ~生かすも殺すもあなた次第』エッセンシャル出版社,2019年,p.56
私のような極度の人見知りで発達障害疑いのある人でも、ゲームとなるとそれはもう水を得た魚のように話すことができたので、ゲームの存在に非常に助けられました。
同世代でゲームをやらなかった人、ゲームが嫌いな人はまずいません。それゆえ平等に楽しむことができる最高のコミュニケーションツールだと私は考えています。
共通の話題ができる
ゲームは世代を貫く”横串”となる共通言語なのだ。それにあえて触れさせないというのはオススメできない。みんなが知っていることを知らないというのは、かなりの疎外感があるし、コミュニケーションにおいてはマイナスでしかない。
小幡和輝『ゲームは人生の役に立つ ~生かすも殺すもあなた次第』エッセンシャル出版社,2019年,p.101
小幡さんの言う「ゲームは世界の共通言語」という言葉にはすごいしっくりきました。
ゲームには人種、性別、宗教を問わず誰でも繋がることができる力があります。意思疎通が取れなくてもゲームという共通の言語であれば盛り上がれるし、お互いを認め合うことができます。
ゲームの世界大会を観ててもそれをつくづく実感しています。
私はプロの試合を観るのも好きで、『スマブラ』の世界大会なんかは特に好んで視聴しています。
Genesis 6 SSBM - RB VGBC | aMSa (Yoshi) Vs. Tempo | Axe (Pikachu) Smash Melee Tournament LS
どのような試合でも相手を問わず自分の今までの成果を全力でぶつけ合い、最後にはお互いを讃えあう姿は正にスポーツそのものです。他言語が話せなくても分かり合えるゲームという存在は、今や損得では語れない大切なものなのだと改めて感じました。
余談ですが、私が『スマブラDX』部門で好きなプレイヤーはaMSa選手です。理由は勿論DX部門で数少ない日本人プレイヤーということもありますが、マイナーキャラである『ヨッシー』を使用してトッププレイヤーをバシバシ倒していくのが観てて気持ちいいからです。
歴史や文化への興味が湧く
僕は今、地域の活性化の仕事をしているのですが、元々は歴史に興味を持ったことがきっかけで、「戦国無双」や「信長の野望」といったゲームから始まっています。それまでは全然興味がなかったのに、「うわー、サムライってかっこいい!」「真田幸村って超ヤバい!」と思って、それから地域の文化にも興味を持つようになりました。
小幡和輝『ゲームは人生の役に立つ ~生かすも殺すもあなた次第』エッセンシャル出版社,2019年,pp.44-45
小幡さんがゲームから歴史に興味を持ったのと同じように、私も『SimCity』シリーズや『Cities: Skylines』といった都市育成シミュレーションゲームで税金等の財政の仕組みに興味を持つことができました。
また、住人のニーズに沿って施設を充実したり、限りある財源でどのように都市を発展させていくか、といった非常に多様性のあるゲームで面白いので是非一度プレイしてみることをオススメします。
また、小幡さんのように戦国ゲームで歴史に興味を持ったように、戦国ゲームが生活において役に立っている例を挙げます。
ここで、私が現在読んでいる漫画『五等分の花嫁』にて登場する「中野 美玖」という人物を紹介します。
尚、ここではあらすじは省きます。
作中のヒロインは五つ子で全員勉強嫌い。しかし、その中でも美玖は歴史の小テストを実施した際に比較的点数が高かった。
理由は戦国武将が出てくるゲームから惹かれていったと話している。
その後もテストを実施する度に社会科の点数にて高得点を重ねていく。
漫画のキャラを例に挙げましたが、このようにゲームには楽しみながら学べる良いツールと捉えることができます。
何故ここで『五等分の花嫁』を例に挙げたかというと、滅茶苦茶面白いので読んでねってことを遠回しに言いたかっただけです。
経済を学べる
このように、重要なのはカードの価値が常に変動しているということ。大会で優勝するなどして結果を出したものや、有名なプレイヤーがネットで紹介するカードは価値が上がるし、新しいカードもどんどん追加されているので、そのたびに既存のカードの価値が変わるのだ。
たとえば、Aというカードがあって、このAよりも強いBというカードが出たら、当然Aの価値はそれまでよりも下がる。ところが、このAと組み合わせることによってすごく強くなるCというカードが出てきたら、Aの価値は上がる。まさに経済原理。そんなことが常に起きているのがカードゲームの世界なのだ。
小幡和輝『ゲームは人生の役に立つ ~生かすも殺すもあなた次第』エッセンシャル出版社,2019年,p.101
私も遊戯王をやっていた身なので言えますが、本当にカードゲームは経済そのものだと当時も薄々感じていました。
カードの価格が決まる要因には
- パックの封入率
- 書籍、会場限定カードの高騰
- 再録による下落
- 裁定、エラッタによる変動
- 禁止・制限改訂による変動
- ルール変更に伴う変動
以上のように、様々な要因で価格が決まります。
禁止・制限改訂による変動を例に挙げますと、大会で猛威を振るっており、採用率100%で且つレアリティの高いカードがありました。数日前まで1枚3,000~4,000円で取引されていたのが、ある時禁止カードに指定されて紙屑同然になってしまった……
なんてことは、遊戯王ではよくあることです。
株式投資と共通しているのは「何が起こるか分からない」ということです。
分からないながらも、経済情勢はある程度予測ができるように、カードゲームもまた「このカードは強すぎるからいずれ禁止になるな」といったように、将来を予測して取引することがカードゲームは経済と言われる所以だと思います。
仮説検証力を培える
では、どうすれば勝つことができるのか。自分なりの仮説を立て、そのデッキにおける目標を設定し、対戦を重ねて仮説検証を行っていくことで、強いカードの組み合わせを自分なりに見つけていくしかない。そして、それがこのゲームの醍醐味でもある。
小幡和輝『ゲームは人生の役に立つ ~生かすも殺すもあなた次第』エッセンシャル出版社,2019年,pp.103-104
現代の職場では指示待ち人間が多くなったと散見しますが、ゲームにおいて「なぜ勝てなかったのだろう?」という疑問を抱くことはそういった指示待ち人間を未然に防ぐ処方薬だと思います。
勝てなかった原因を自分の頭で考え、試行回数を重ねて自分なりの最適解を見つけるという行動は、そのまま仕事でも活かせることができます。
逆に、小幡さんも懸念していることですが、最近の子はすぐデッキレシピをコピーしたり、ゲーム攻略サイトやYouTubeで動画を観るといった思考停止に陥りがちだとされています。日頃から自分で仮説検証する能力を鍛えなければ、いざ人生の分岐点で決断することになった際、自分の頭で考えずに他人に委ねて後悔してしまいます。それだけはあってはならないので、せめてゲームでは仮説検証を重ねて自分なりの最適解を見つける経験を積んでいって欲しいです。
説明する力(プレゼン力)が身に付く
ゲームの説明には、物事を客観的に見る力、説明の順番を組み立てていく論理的思考力、プレゼン能力などが求められる。また、できる限り相手の知識レベルを把握し、そのレベルに合わせて、ほかのたとえなども用いながら説明する必要がある。
小幡和輝『ゲームは人生の役に立つ ~生かすも殺すもあなた次第』エッセンシャル出版社,2019年,p.106
仕事を教える、物事を伝える、相手の気持ちになって考える──こうした能力は、そのまま仕事につながるし、さまざまな分野に応用できる力なので、僕はゲームからこのコツを学べて本当に良かったと思っている。
小幡和輝『ゲームは人生の役に立つ ~生かすも殺すもあなた次第』エッセンシャル出版社,2019年,p.107
頭のいい人は説明が上手い。これは私が今まで生きてきて感じたことです。
それは本書でも述べられており、理由としては上記で抜粋したように相手に合わせて話す気遣いと、論理的思考力やプレゼン能力に秀でているからです。
日常での会話においても、相手が専門用語を理解しておらずに話を進める人が大多数だと感じています。自分の好きなことを相手に理解してもらうには分かりやすいたとえを用いることが効果的です。
最近、『オートチェス』というゲームが流行っているらしく、どういうゲームか調べたところ「8人でやる麻雀バトルロワイヤル」だそうです。うん、分かりやすい。
と、このように麻雀ならやったことがない人も何となくどういうルールかは分かりますし、バトルロワイヤルということは最後の1人になるまで戦うんだな、といったように理解できるはずです。
ですが、それをもし子供にも説明してごらん、となったら子供は麻雀もバトルロワイヤルという言葉自体分からないので、なかなかこれが難しいものです。
いつか子供にも難なく説明できるようにプレゼン力を鍛えておきたいです。
現代なら仕事に繋がる
ゲームを仕事にするというのは、ゲームを作ることだけではない。たとえば、スマホゲームが増えてきた結果、ゲームで遊んでみてエラーが出ないかを検証する「デバッグ」という仕事が増えてきた。ゲームを題材に文章を書くことを仕事にするライターやブロガーも多いし、ゲーム実況を投稿しているユーチューバーもいる。彼らもゲームを仕事にしていると言えるだろう。
小幡和輝『ゲームは人生の役に立つ ~生かすも殺すもあなた次第』エッセンシャル出版社,2019年,p.151
先日、このようなタイムリーな記事を見ました。
今やゲームの市場規模も年々右肩上がりで、中でも動画配信界隈が特に盛り上がっていると感じた記事です。
有名ストリーマーの影響力というのは計り知れず、新作ゲームの依頼は時給数百万単位の報酬でもゲーム会社は余裕で元が取れると見込んでいるのでしょうね。実際にそれで『Apex Legends』は大成功を収めた良い例でしょう。
また、小幡さんは人生のスキルアップにはドラクエの転職の概念で学んだと書かれています。一つ一つのスキルは平凡でも、組み合わせれば大きな力となるという理論は、堀江貴文さんの著書『多動力』でも似たようなことが書かれています。
ざっくり書くと、人は大抵10000時間費やせばその分野で100人に1人になれるそうです。しかし、もし他の分野で10000時間費やせば100×100=10000人に1人。さらにほかの分野に10000時間費やして10000×100=1000000分の1人。といったように自分の希少価値が高まっていくということです。
それを踏まえてゲーム×ブログやゲーム×解説者といったように、様々な分野を組み合わせて希少価値を高めていけば、やがて大きな仕事に繋がるはずです。
まとめ
読み終えた感想としては、考え方次第でゲームはこんなに付加価値があるんだなあと感じました。完全な娯楽や暇つぶしでやるゲームは息抜きには良いですが、そればかりでは人生の糧になることはほとんどありません。ゲームの中にも意味を見出してどう活かしていくかを考えた時、初めて人生の役に立つのだということが分かりました。
また、物事には必ず正と負の側面があるように、ゲームをやることのデメリットも多く存在します。
先日、WHOが「ゲーム障害」を正式に認定したことで物議を醸しています。
要はゲームと日常のバランスを保つことが大切だとされており、没頭することが必ずしも悪いということではなく、日常生活に支障をきたさない程度にやるべきことをやっているかが焦点なのでしょう。
私の今後のゲーム目標として「より良い人生にする」ためにゲームを楽しむことを意識していこうと考えております。
それでは、良きゲームライフを。
ではノシ