『投資家が「お金」よりも大切にしていること』それは・・・
「仲間だ!!」ドン!!!!!
という冗談は置いといて、今回は『投資家が「お金」よりも大切にしていること』 (星海社新書)を読んで思ったことを書いていきます。
手に取った理由などは特になく、一投資家として単に興味を持ったのと、比較的少ないページ数でサクッと読むことができると考えたからです。
Amazon等の評判は高く、ありふれた投資本だと思ってさほど期待はしていなかったのですが、結果的に言えば中々の良書だったので、紹介も兼ねて書いていきます。
「真面目」の本当の意味
日本人は真面目で勤勉だというイメージがあり、大多数の日本人が自分のことをそうだと思っていることでしょう。
ですが、我々日本人は、本来の真面目の意味を履き違えているそうです。
ここで、真面目の意味を調べてみると、
1 うそやいいかげんなところがなく、真剣であること。本気であること。また、そのさま。「真面目な顔」「真面目に話をする」
2 真心のあること。誠実であること。また、そのさま。「真面目な人柄」「真面目に暮らす」
真面目(まじめ)の意味 - goo国語辞書 https://dictionary.goo.ne.jp/jn/208002/meaning/m0u/
ということだそうです。
ルールや規則を守ったり、常識的なことは真面目とは違うそうです。
なぜここで真面目の本当の意味を挙げたかといいますと、日本の企業には不真面目な会社が多いとされているからです。
会社における真面目とは、「会社はどうあるべきか」「お客さんとどう向き合うべきか」「従業員とどういう関係を築くべきか」を考えることであって、就業規則を守ることでも、コンプライアンスを遵守することでも、利益を追求することでもありません。もちろん、上記のことは会社にとって必要なことですが、決して真面目の本当の意味である本気、真剣、誠実なこととは言い切れません。
外国の企業では、「自社はなぜ存在するのか」「我が社はこのようなことをしなければならない」という本質的なことを日頃から熟考されているそうで、形式的なことに囚われている日本企業とは対照的です。
全ての日本企業に当てはまるということではなく、中には真面目な企業も沢山存在しています。しかし、真面目の意味を履き違えている企業が大多数だということを伝えたかったのだと思います。
変化こそ安定
上記で述べた通り、日本には真面目を履き違えた会社が多数存在しています。
就活生が安定した企業を求めていますが、安定していることと真面目な会社はイコールではありません。
常に世の中は変化しています。その変化に順応していける努力と成長を持ち合わせた会社こそが、本当の真面目な会社なのです。
最近では、大企業が人員削減をしたというニュースを度々目にしますが、企業側としても変化に順応出来ず、成長の見込みがない社員は不真面目だとして切り捨てています。
成長している会社に注目することも大切ですが、まずは自分自身が常に努力と成長を怠らないように習慣づけることが第一なのだと思います。
会社がブラック企業を生むのではなく、消費者がブラック企業を生んでいる。
なぜブラック企業が生まれるのか?という議論は度々起こりますが、一つの回答としては「消費者が企業に求めるハードルが高すぎる」ということだとされています。
今現在、慢性的なデフレにより低所得層が増加しております。
そんな状況なこともあり、消費者はより価格の安い製品やサービスを求めるようになりました。
そのため、やむなく賃金の引き下げや長時間労働を強いる必要が出てきます。
できるだけ安く、且つ高品質なサービスを求めるあまり、そのしわ寄せが従業員の過重労働という結果を招いているのでしょう。
また、できるだけ安い価格で過剰なサービスを求める消費者のことを、本書ではブラック企業ならぬ「ブラック消費者」という言葉で言い表しています。
そのような人は、従業員に対してちょっとでも不満が起きるとすぐに怒鳴り散らしたり、やたら威張った態度で接してきます。
そんな人にまで対応や要望に応じていると、やがて先程のようなブラック企業と化してしまうのです。
余談ですが、女性が彼氏にしたくない行動のひとつとしてよく挙げられることに「店員に対して態度が大きい」というのがあります。
なぜなら、店員に対して威圧的な態度を取る人は、同僚や恋人や友人に対しても威圧的な態度を取るからです。
女性は、自分が恋人や奥さんになったときに威圧的な態度をされるのだと本能的に気づいているのでしょう。
要するに、ブラック企業を生まないために自分たちがするべきことは、「ありがとう」と感謝の言葉を伝える習慣をつけることです。
感謝された店員は、純粋に嬉しいと感じ、そこからさらにお客さんに満足してもらうにはどうすればいいか?ということを考えるようになる好循環が生まれます。
どちらが上か下かで考えるのではなく、お互いを平等と考えて接することから始めてみましょう。
日本人が信じれるのは自分と自分のお金のみ
生きているだけでも社会貢献
本書の例にもある通り、赤ちゃんがいることによって成り立つ会社や商品があります。
赤ちゃんは一切労働するわけでも、生産するわけでもありませんが、赤ちゃんがいることによって仕事が成り立つ会社や人がこの世には沢山いるのです。
赤ちゃんに限らず、学生、社会人、高齢者、ニートですらも消費をすることによって社会貢献していることになるのです。
コンビニや自販機で買う飲料水1つとっても、その飲料水が売れるまでに何十、何百もの企業に還元されて経済が循環されるのです。
まとめ
本書の結論としては、あらゆる投資活動を通して世の中をより良くし、明るい未来をつくることが私たちの人生の目的であり、投資とはお金のやりとりではなくエネルギーの投入だということを理解することです。
「お金」や「経済」の本といえば固っ苦しくて難しいイメージが強いですが、本書は非常に読みやすく、少ないページ数ながら本質を突いた濃い内容でした。
日本人disが少し行き過ぎていると感じましたが、それだけ日本経済をより良くしたいという信念があるからこそ、欠点を洗いざらい書き起こしているのだと思います。
タイトルから投資家向けの本だと思われがちですが、これは全ての人に読んでほしい内容でした。
経済とはなにか?お金とは何か?という疑問に真摯に答えていく、正に真の社会科学の教科書でもあり、道徳の教科書とも言えるおすすめの良書でした。
ではノシ